「親と向き合うことは、自分と向き合うこと」おいらく取材ノート 体験者にきく6-5(最終章)
「親と向き合うことは、自分と向き合うこと」おいらく取材ノート6-4の続きです
「老老介護」「認知症」「片付け」「葬儀」をテーマに取材した内容を5回に分けてご紹介しました
今回で最終章になります
お父様が亡くなった後、四十九日を迎える前日の48日目に、ゆうとさんはお母様を亡くされました
1ヶ月内にお父様とお母様のお二人の葬式をそれぞれ行ったわけですが、生前ご両親から葬儀に関する希望は聞いていたのですか?
父の場合、生前の遺言で「葬式にお金をかける必要は無い!」と常々言っていた事もあり、「直葬」と言う形をとりました
葬儀は行わずまっすぐ火葬場に行くのですか?
(父の葬儀の場合)
父方の方はお世話になっているお寺さんではなかったのですが、通夜に当たる日の夜に葬儀場でお経だけは上げてもらいました
反対に母の葬儀の場合は、父の場合と違い「お金をかける必要は無い」というような言葉を母から聞いていませんでしたから、母方でお世話になっているお寺さんにお経をお願いしました
(母の葬儀の場合)
父の葬儀が「直葬コース」だった為に、ちゃんとしたお経を上げてもらっていない旨を伝えると、
「それならお父様の分も一緒」にと言ってくださり、父の分まで母と一緒にお経をあげて頂きました
これは有り難かったです
それは良かった
ご両親はきっと喜ばれたことでしょう
お二人の葬儀に関して他に困ったことはありませんでしたか?
両親の葬儀を経験してみて、お布施や戒名料は宗派や地域によって差が大きいということを初めて知りました
特に「寺に対していくら支払えば良いのか?」
両親を一度に亡くした私にとって、経験のないことばかりで検討もつかず大変困りました
葬儀の際のお布施について・・・
1万円…3万円…5万円?なのか・・・全く検討がつきませんでした
- 戒名料は?
- 四十九日は?
- 年忌法要は?
とにかく情報が欲しい!が本音でした
そう思った私は、地元の同級生、うちのお墓を作っていただいた墓石業者、激安小規模なお葬式業者などいろいろと情報を得るために聞いて回った次第です
●まず地元の同級生に聞く
これはそれぞれの宗派が違うため、参考になりませんでした
●うちのお墓を作って頂いた墓石業者に聞く
「宗派とかもありますが、そのご家庭の経済事情で額は上がったり下がったりする」と聞きました
これは割と参考になる言葉を頂けたと思っています
●激安小規模なお葬式業者に問い合わせる
「お気持ちなので具体的な額は決まっていません」…
いやいや、今 具体的な額を決めないといけないから急いで聞いてるのに! と思いましたが、まぁ、そういうことなんだなと、ある意味納得しました
●お寺さんに直接聞く
こうなったら最後の手段ですお世話になっているお寺のご住職に聞きました
「お布施はいくらくらいお包みすれば良いですか」「戒名料はいくらですか」
結果、予想通りと言えば予想通りなんですが
「それはお気持ちですので…」と言われ、具体的な額は結局教えてもらえませんでした
まぁ、お寺さんに直接聞くこっちもどうかと思いますが・・・
中には具体的な額を教えてくれるお寺さんもあるらしいですね(それはそれでどうかと思いますが…)
お寺さんから具体的な額を聞いてしまうとその額あるいはその額以上が必要になりますから
戒名料も寺によって違いすぎますね
私も「謎」だらけでした(笑)
戒名料に関しては、宗派や地域によって相場が相当変わってきます
さらに、戒名には「位(くらい)」というのがあって、ネット等で見た情報ですが、下は5~10万円位から、位の高い戒名になると100万円以上なんてケースもあるようです
我が家は全然位の高い家系では無いのですが、当時、若干無理をした金額を納めたのかもしれません
1年後に父と母同時に1周忌の法要をして頂いた時に、お寺にお布施で包んだ額に対して帰り際にお寺さんが
「そんなにご無理されなくても良いですと」と言って下さいました
さらに、「あまり無理をされて、今生きているあなたたちが生活に行き詰まる様なことがあれば、天国のご両親が悲しまれますから」とも言って頂きました
この一言にはたいへん救われ心が軽くなりました
宗派、地域、家族の状況、いろんな要素があり不安ばかりでしたが、
「お布施や戒名料に「この額」という決まりは無いということ」
「一番大切なのは父や母に対する気持ちである」と改めて感じることができました
葬儀やお布施や戒名料などについて、いろいろと考え悩みながら過ごしたこと…
私から親への “気持ち” はきっと伝わったんじゃないかと思っています
いつか、僕がそっちに行ったとき
石原裕次郎やジャイアンツの話しでもしながら、一緒に美味しいお酒を酌み交わしたいですね
最後にお聞きします
あなたにとっておいらく(老いを楽しむ-後悔のない生前整理)とは
親とのコミュニケーションは決して密な方ではなかったですが、親に何かあったときに動かざるおえない状況は自分の意思に関係なく向こうからやってきます
今回のことで「親の大切さ」「親と向き合うこと」「親とは何か」 など、色々と考えることができました
親というのは時には手本、時には反面教師だったりします
血の繋がった親は唯一無二の存在であり、かけがえのない存在なのです
「親よりも長生きする」という子として最低限の役目を終えたこと
そして自分にも家族があり、自分も親だということ
今は元気でも、いつか自分も介護される側なるかもしれない
いらないものは今のうちに処分する
エンディングノートを出来る範囲で書いておくなどの必要性を大きく感じました
今際(いまわ)の際に幸せな人生だった、楽しい人生だったと思えるよう、後悔のない毎日を生きていきたいと思っています
取材を終えて(fandeenaからの一言)
「子供に迷惑をかけたくない」親世代が良く言う言葉です
現実は将来迷惑がかかる日までに「いかに万が一のことを考えて生きていくか」だと思っています
葬儀に関しても同様です
ゆうとさんが「直送コース」を選択されたと聞いて、初めはびっくりしましたが、今の時代珍しいことではなくなったように感じています
通夜 告別式がないまま、火葬場へ直行するコースは、昔は一般的ではありませんでした
しかし、今は特別な理由がなく家族や親戚がいても、葬儀を行わない方が増えているそうです
コスパなのでしょうか?
直送コースを経験された方から聞きました
親族の方は火葬場の駐車場の車の中で、ほんの一瞬だけ顔を見ることができてお別れをしたそうです
葬儀会社によってプランの内容は違うでしょうが、後日「せめて通夜をあげて欲しかった」「最後のお別れをちゃんとしたかった」と親戚から言われたそうです
残された家族としては最低限、できる限りのことをやってあげたいと思うのも当然だと思います
逆に本人はどうして欲しかったのか?本当にこれで良かったのか?分からないままでは悲しすぎます
今回のゆうとさんの取材を通して、親との向き合い方、万が一の対応策、両親同時に介護が必要になった時、賃貸での実家の片付け、葬儀についてなどなど沢山の事を学ぶことができました
ゆうとさんご夫妻には、お忙しいにも関わらず取材に応じて頂き有り難うございました
今後とも「おいらく」をどうぞよろしくお願いします
「親と向き合うことは、自分と向き合うこと」おいらく取材ノート6-1
「親と向き合うことは、自分と向き合うこと」おいらく取材ノート6-2
「親と向き合うことは、自分と向き合うこと」おいらく取材ノート6-3
「親と向き合うことは、自分と向き合うこと」おいらく取材ノート6-4
★おいらく取材ノートについて
老後を前向きに生きるためのヒントは、皆さんのこれまで生きてきたそれぞれの人生経験の中にあると思っています 人生経験豊富な年代の方から若い世代まで、それぞれの考え方や経験を聞くことはとても貴重であり、これからどう生きるべきかを学ぶ参考書になり得ると思っています
「体験者にきく」は、年齢問わずご自身の経験や将来の「おいらく(老いを楽しむ)後悔のない生前整理」について語って頂いた内容をご紹介「専門家にきく」では、様々な現場で活躍されているプロの方にfandeenaが取材した内容をご紹介しています
同じ悩みを抱えている方、世代によって様々な考えや意見もあるでしょう 読者の皆様にとってこれからの人生についての参考になれば幸いです 読者の皆様、そして専門家の皆様、取材に快く協力して頂き感謝します この場をかりて厚くお礼を申し上げます
尚、取材した内容の最終確認 及び「氏名」「社名」「写真」などの公表に関してまして、全てご本人の了解を得た上で掲載しています

