「親と向き合うことは、自分と向き合うこと」おいらく取材ノート 体験者にきく6-2
「親と向き合うことは、自分と向き合うこと」おいらく取材ノート 体験者にきく6-1の続きです
今回のテーマは「老老介護」「認知症」「片付け」「葬儀」です
(認知症になったら・・・)(夫婦だけでいつまで暮らせるのか・・・)
(実家の片付け)(親の言う通り葬儀のプランを決めてはみたが・・・)などなど
親の老後と向き合うことで自分を見つめ直すことができたと言う「ゆうと様」にお話を伺いました
※「ショートスティ」を「ショート」と略して掲載しています
ゆうとさんは父親に対する対策として、親の介護負担を考えて
「毎日誰かが顔を出す」「使える介護サービスは全て利用する」を徹底されました
そんな生活がしばらく続いたある日
父の様子を見に行った際、台所で唖然となった光景を目にします
それは「カップラーメンのカップを直接火にかけた」形跡を見たからです
え?カップラーメンを火にかけたのですか?
カップの底が焦げたままになっていて「これは危ない」と深刻に受け止めました
それからだんだん父の痴呆症が加速
「ヘルパーさんが物を盗む」「ヘルパーさんが部屋中を物色している」
と被害妄想がひどくなっていきました
例えば
父が愛用していたすり鉢が見当たらない→「ヘルパーさんが持って行った」
風呂の栓が壊れた→「ヘルパーさんが壊した」など
父が「ヘルパーを替えてほしい」と言うので、言われた通り替えても、結局また同じことの繰り返しでした
ヘルパーさんがダメ
それなら今度は安全面を重視です
そうなると次なる対策ですね
父にはショートステイを利用してもらい、ギリギリまでショートに泊まることにしました
ところが預けて安心したのは良いのですが・・・
施設のスタッフが生活面をサポートしてくれることが逆効果になり、急速に生活能力が衰えていきました
問題点も浮上
- 「ショートは1ヶ月以上預けることができない」
- 「体調が悪くなると預かってもらえない」ことを知りました
私も母を預けてみて初めて知りました
通常は(空きがあればですが)数日の連泊は可能ですが、週末は予約者が多いと聞きました
それだけ利用者が増加傾向にあるのでしょう
ショートに預けられないとなると困ったでしょう
そこでケアマネージャーに相談です
ショートをもう1箇所(2箇所のショートステイ)増やして、ダブルでショートスティを利用することで解決できました
しかしどうしても自宅に帰らなければならない数日間が発生します
その時は、私が実家に泊まりに行く事にしました
ダブルでショートスティを利用ですか・・・
それは知らなかったです
そうやってギリギリまで最大日数ショートを利用
と、ここまではスムーズに父を預けられていました
しかし・・・父が熱が出た時点でアウト
「こちらでは預かれないので迎えに来てください」と連絡が来たのです
えーもう預かってもらえないのですか?
ヘルパーもだめ
ショートも使えない
ほんと困ったことになりました
熱がある父は風邪だったのか?分かりません
早速ケアマネに相談です
結局父は入院しないまま、私達夫婦の自宅で初めて介護をすることになりました
- 急遽ベッドをレンタル
- 食事の世話は妻が担当
自宅で1週間介護した甲斐もあって、父親の熱も下がり一安心でした
父は認知症は進行していても、会話や意思表示はこの時までは何とか可能でした
父は性格上、人に世話になることを嫌う人でした
- 「息子の家でお嫁さんに寝たまま介護されること」
- 「食事の世話をしてもらうこと」
「申し訳ない」と思う気持ちを強く感じ取ったのか・・・父の方から私達に
「息子の家で朝昼晩世話になるのは申し訳ない」「自宅に帰る」又は「ショートの施設でも良いから返してくれ」と言ってきました
厳格だった父
父親としての最後のプライドだったのでしょう
認知症と診断されていても、自分のプライドだけは忘れていない
きっとお嫁さんに世話してもらう心苦しさや違和感を強く感じ取ったのでしょうね
結局、1週間だけ私達夫婦の家にいた父は、ショートに帰っていきました
そして父が病院に行く日だけ、私達がショートに迎えに行くことにして、しばらく様子を見ることになりました
認知症と診断=「すぐに何もわからなくなって会話もできなくなる」ではないです
認知症だから何を言っても分からない・・・でもない
お父様が感じ取った「お嫁さんに世話をしてもらうことは嫌だ」と思った感情は、認知症の方でも何らかの違和感を感じ取るのではないかと思いました
「親と向き合うことは、自分と向き合うこと」おいらく取材ノート6-3へ続く
★おいらく取材ノートについて
老後を前向きに生きるためのヒントは、皆さんのこれまで生きてきたそれぞれの人生経験の中にあると思っています 人生経験豊富な年代の方から若い世代まで、それぞれの考え方や経験を聞くことはとても貴重であり、これからどう生きるべきかを学ぶ参考書になり得ると思っています
「体験者にきく」は、年齢問わずご自身の経験や将来の「おいらく(老いを楽しむ)」について語って頂いた内容をご紹介「専門家にきく」では、様々な現場で活躍されているプロの方にfandeenaが取材した内容をご紹介しています
同じ悩みを抱えている方、世代によって様々な考えや意見もあるでしょう 読者の皆様にとってこれからの人生についての参考になれば幸いです 読者の皆様、そして専門家の皆様、取材に快く協力して頂き感謝します この場をかりて厚くお礼を申し上げます
尚、取材した内容の最終確認 及び「氏名」「社名」「写真」などの公表に関してまして、全てご本人の了解を得た上で掲載しています

