「究極の2択 胃ろう」おいらく取材ノート 体験者にきく5-3(最終章)
「究極の2択 胃ろう」おいらく取材ノート 体験者にきく5-3(最終章)
「究極の2択 胃ろう」おいらく取材ノート 体験者にきく5-2の続きです
「究極の2択 胃ろう」50代 男性 明日元気になあれ様
今回のテーマは前回に続き「延命治療」「胃ろう」についてです
この回で最終章になります
「胃ろう」とは、食事ができなくなってしまった方に対して、胃に穴を開けて外から栄養を補給する方法です
今回の「おいらく取材ノート 体験者にきく」では誰しも直面するかもしれない延命治療「胃ろう」について考えます
お話の内容は、おいらく-老いを楽しむ(後悔のない生前整理)に投稿して下さった「明日元気になあれ様」の延命治療「胃ろう」に関する体験をもとに掲載しています
「究極の2択の期限が迫る中、最終的にどのようなご決断をされたのですか」
期限が迫り色々悩んだ結果「胃ろう(延命治療)はしない」と気持ちが固まったある日、突然「その日」がやってきました
私が医師に返事を伝える直前に、父はまるで私の気持ちが分かっていたかの様に旅立って行きました
「俺の人生は俺が決める」
「息子に俺の命の決定権を預けることはできない」
「そんな決定を息子にさせるのは酷だから…もう悩まなくていいから…」と聞こえてきました
結果、究極の2択をすることはありませんでしたが、胃ろう(延命治療)をしないと決めていた自分の決断は、今思い返しても「間違いでは無かった」と思っています
決断される前にお父様は亡くなられたのですね
きっとお父様自身の意思で旅立たれたのだと思いたいです
「延命治療」これが正解というのはないと思います
今回命とは何か、親とは何か、命とどう向き合うべきか、などたくさん悩み考えました
そして人生の中において、貴重で大切な時間を与えてくれた父に感謝しています
今でも時々父が夢に出てきたりして「親子の時間の続き」を楽しんでいます
延命治療に関する究極の2択
本人だったら・・・家族だったら・・・と改めて色々と考えさせられました
読者の皆さんに伝えたいことはありますか?
ここ最近、「健康寿命」という言葉をよく耳にします
昔は長生きすることが美徳とされてきましたが「長生きしていても健康じゃなければ幸せとはいえない」という考え方が浸透しつつあります
胃ろうは「健康じゃない寿命を伸ばしている」と捉えることも出来ます
皆さんは胃ろうに対してどのような考えをお持ちでしょうか?
(過去の記事)
「究極の2択 胃ろう」おいらく取材ノート 体験者にきく5-1
「究極の2択 胃ろう」おいらく取材ノート 体験者にきく5-2
★fandeenaからの一言
過去私の母が入院をした際に、担当医師から延命治療に対する説明を受けました
胃ろうを考える時は、どんな状態の人なのか?若い方なのか?高齢なのか?で胃ろうを入れる判断が大きく違ってくるそうです
- 管で体に直接栄養を入れる
(胃ろうのように胃に直接入れるケース、鼻から入れるケースなど)
- 点滴で血管に栄養を入れる
- 何もしない(自然な看取り)
万が一に備えて、ご家族間で事前に話し合いをされていて下さいと・・・
説明を聞いていて万が一の時にどう判断すれば良いのか・・・深く考えてしまいました
★積極的に胃ろうを考える場合
50代60代の若い方が脳梗塞や脳出血を繰り返して、機能が落ちて食べたいけど食べられない状態の方
例えば自分が食べたいけれど100%自分で食べられない場合、食べられない分の栄養補給として胃ろうを利用するというものです
この場合は徐々に自分で食べられるようになり、のちに胃ろうなしで食事ができるまで回復します
つまり将来回復の見込みがある比較的若い方に対して行う前向きな治療なのです
★では高齢者の場合はどうなのでしょうか
認知症が進行した上、高齢で食べることすら認識できなくなる場合
逆にこの場合は単なる延命になってしまいます
★担当医師からは
「ご家族がどこまで延命を望むのかではなく、ご本人が一番辛い状態にならないように、患者さんにとって少しでも負担にならないことを考えて、話し合って頂きたい」と言われました
海外では高齢者に対しての胃ろうは導入されていない国が多い中、日本の場合はやむを得ず胃ろうを入れているケースもあるそうです
何故なら、病院は「胃ろうを入れない」と言った時点で「退院して下さい」となるからです
つまり「胃ろうを入れない=退院しなくてはならない」
こうなると話は違ってくるということです
病院というところは「治療をするところ」であって、胃ろうをしないとなると「退院をしなければなりません」
つまり胃ろうを入れないまま退院した場合、自宅療養に切り替える方は自宅で最期を迎えることになります
では、自宅で看取れない場合・・・そんなご家族もいらっしゃると思います
介護力がなく自宅での療養が困難な方の場合だと、「胃ろうを入れてでも退院しても別の施設で世話をしてくれる施設を探さなくてはならない」ケースもあるのだそうです
やむを得ず胃ろうを入れてしまう場合が増えているのも、自宅で介護ができないケースが増えている背景があるのでしょう
胃ろうを入れなくても将来入院できて、病院で診てもらえることが望ましいのですが、実際は長く診てもらえない「退院」を勧められるのが現実なのです
自宅で診れないとなると「施設で最期を迎える」ケースも年々増えてきています
対策としては胃ろうを入れずに看取りをしてくれる高齢者施設を探すしかありません
逆に胃ろうを入れて施設の入所を希望されたい場合は、医療行為の受け入れが可能な施設を探すことになります
いずれにせよ「延命治療」は命に関わる究極の決断です
すぐに答えが出る問題ではありません
私の母も91歳
入退院を繰り返しながらも、一生懸命生きてくれています
過去に何回となく質問しては、母の意思を確認してきました
元気だった頃の母との会話はもちろん、認知症と診断されてからも幸い会話はできましたから、穏やかで気持ちが落ち着いている時を見計らっては聞いています
母の答えはほぼ毎回同じです
- 「痛いことはしたくない」
- 「病院で死にたくない」
- 「食事も取れなくなり寝たきりになったら、何の楽しみもない」
- 「家に帰りたい」
- 「何もしなくても良いから家で最期は迎えたい」
- 「最後にプッチンプリンが食べたい」と言っています(笑)
万が一の時にどこまで母の意思を尊重してあげられるか・・・分かりませんが出来る限り本人の意思を尊重できる選択をしたいと思っています
延命治療に対する質問は「本人に問いづらい」と思う方もいるでしょう
しかし本人が「選択を迫られた際に家族としてどう考えて欲しいか」は、後になって本人の口から聞きたかったと思っても、聞けないとなると後悔でしかありません
今回の明日元気になあれ様の取材を通して、私自身も改めて気付かされたことが多くありました
やはり本人の意思が少しでもはっきりしている頃から、家族で話し合っておくことが大事であると思いました
読者の皆さんはどうお考えですか?
(過去の記事)
「究極の2択 胃ろう」おいらく取材ノート 体験者にきく5-1
「究極の2択 胃ろう」おいらく取材ノート 体験者にきく5-2
★おいらく取材ノートについて
老後を前向きに生きるためのヒントは、皆さんのこれまで生きてきたそれぞれの人生経験の中にあると思っています 人生経験豊富な年代の方から若い世代まで、それぞれの考え方や経験を聞くことはとても貴重であり、これからどう生きるべきかを学ぶ参考書になり得ると思っています
「体験者にきく」は、年齢問わずご自身の経験や将来の「おいらく(老いを楽しむ)」について語って頂いた内容をご紹介しています 又「専門家にきく」では、様々な現場で活躍されているプロの方にfandeenaが取材した内容をご紹介しています
同じ悩みを抱えている方、世代によって様々な考えや意見もあるでしょう 読者の皆様にとってこれからの人生についての参考になれば幸いです 読者の皆様、そして専門家の皆様、取材に快く協力して頂き感謝します この場をかりて厚くお礼を申し上げます
尚、取材した内容の最終確認 及び「氏名」「社名」「写真」などの公表に関してまして、全てご本人の了解を得た上で掲載しています

