今回のテーマは「延命治療」「胃ろう」についてです
「胃ろう」とは、食事ができなくなってしまった方に対して、胃に穴を開けて外から栄養を補給する方法です
高齢者で入院して食事が取れなくなってくると医者から家族に対して「胃ろうをされるかどうかご家族で決めてください」と言われることがあります 胃ろうなんて詳しく知らない私達に早急な決断を迫ることになるのです
きっとほとんどの方は「苦しまないようにしてほしい」とお願いするのが精一杯だったり、胃ろうをお願いする方、在宅医療を選ばれる方・・・様々だと思います
今回の「おいらく取材ノート 体験者にきく」では誰しも直面するかもしれない延命治療「胃ろう」について考えます
お話の内容は、おいらく-老いを楽しむ(後悔のない生前整理)に投稿して下さった「明日元気になあれ様」の延命治療「胃ろう」に関する体験をもとに掲載しています
取材した内容は複数回に分けて掲載します
お父様が入院された時のことをお聞かせ下さい
お父様に胃ろうを始めるかどうかで随分悩まれたそうですね
ショートステイでお世話になっていた94歳の父 ある日施設内で転倒し、病院に入院することになりました
入院当初は普通に食事が摂れていて「味が薄い」とか「まずい」とか文句を言いながらも、ちゃんと病院食を食べていました そのうち、嚥下能力の低下により、徐々に口から食べることが出来なくなっていきました
やがて点滴のみで栄養を摂るようになって数ヶ月後、医師から言われました
医師「治療の選択肢の一つに《胃ろう》というのがありますがどうされますか?」…胃ろう?初めて聞く言葉でした
医師から胃ろうについての説明を受けました
★口から栄養が摂れない人に、胃に管を通してそこから栄養を摂取します
★胃に管を通すには局部麻酔を使った手術が必要です
★点滴だけの栄養摂取で体力が徐々に低下してきています
★お父様が94歳で高齢のため、手術に耐えうるだけの体力を考えると「胃ろうの手術は2週間以内にしなくてはなりません …ご家族でよく話し合って決めてください…
えっ、えっ、こんな究極の選択を2週間以内で答えを出すのか?
2週間以内に答えを出すのですか・・・急に決めて下さいと言われても私もきっと混乱すると思います
医師に他の皆さんはどうされてますか? と聞くと・・・・「どちらのケースもあります」と当たり障りのない答えが返ってきました
言われてみれば、各ご家族や親族でいろんな事情があるので、過去のケースを当てはめるなんて当然無理なんでしょうけど…
さらに、一度「胃ろう」を始めると、途中でやめることが出来ないと言われました
胃ろう後の平均的な余命は2年半~3年と考えられていますが、実際「その時(死)」はいつ来るのか誰にも解りません それが3ヶ月なのか、1年なのか、5年なのか…
例えば胃ろうを始めて1年くらい経ったとします
「胃ろうを始めて1年間頑張って生きてくれた」「そろそろ楽にしてあげたい」という家族の思いも出てくるかもしれません
- 「胃ろうをやめる」=(意図的に管を抜く)行為は出来ないこと
- そしてそれは「殺人罪になってしまう」ということを知りました
高齢の胃ろうの患者さんにとって、本人に自ら死を選ぶ意思表示が出来ないケースが多く、意図的に管を抜く行為は、自殺幇助にも当てはまらず殺人罪になってしまいます
過去には胃ろう患者の呼吸器を外すといった終末期医療をめぐる事件がいくつも起きています 表に出てこない事件も含めるともっと多くの事例が存在するのかも知れません
「場合によっては殺人罪になることも有るのですね
2週間の間に様々な情報収集をされたそうですね
「胃ろう」に対してどのようなお気持ちになられたのでしょうか
この事例の逆パターンのような話しもあるそうで・・
親の年金に頼って生活している子供達が「今、寝たきりの親がいなくなってしまうとその親の年金が途切れてしまい生活に困る」と言う理由から「胃ろうを選択をする」といった事例もあると聞きました
一体誰の何のための胃ろうなのか?と疑問に思ってしまいました
又ご近所さんの話ですが、年配の配偶者に対して胃ろうの選択をし、その2年後に亡くなられた方がいます
この方はその後、「胃ろうなんか絶対するもんじゃない!」と言っておられました
胃ろうを選択した事による精神面・物理面・経済面、色んな要素がこの言葉に表れているのかな・・・と思いました
又母がお世話になっていた特養では、胃ろうにしてから5年間経過した入所者の方がいらっしゃいました
その間、家族や身内の方はほとんど施設に顔を出すこともなく、放ったらかし状態と言う話しも聞きました
そのご家族の諸事情は私には解りませんし法を犯しているわけではありませんが、聞いていてとても悲しかったです
誰のための延命なのか・・・許されることではない、決してあってはいけない事だと思いました
「究極の2択 胃ろう」おいらく取材ノート 体験者にきく5-2へ続く
老後を前向きに生きるためのヒントは、皆さんの生きてきたそれぞれの人生経験の中にあると思っています 人生経験豊富な年代の方ばかりではなく、若い世代の方でも同様です それは若い方なりの人生設計やプランが存在するからです
この取材ノートは、年齢問わず将来の自身の「おいらく(老いを楽しむ)」について語って頂いた内容をこのコーナでご紹介していきます 世代によって様々な考えや意見、そしてそれぞれの人生設計について聞くことができたら幸いです 読者の皆様、取材に協力して頂き有り難うございました
尚、取材した内容は、本人の了解を得た上で掲載しています

