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「親と向き合うことは、自分と向き合うこと」おいらく取材ノート 体験者にきく6-3

50代 男性 ゆうと様

「親と向き合うことは、自分と向き合うこと」おいらく取材ノート 体験者にきく6-2の続きです

今回のテーマは「老老介護」「認知症」「片付け」「葬儀」です

(認知症になったら・・・)(夫婦だけでいつまで暮らせるのか・・・)

(実家の片付け)(親の言う通り葬儀のプランを決めてはみたが・・・)などなど

親の老後と向き合うことで自分を見つめ直すことができたと言う「ゆうと様」にお話を伺いました

※「ショートスティ」を「ショート」と略して掲載しています


ショートスティを利用しながら、父親が病院に行く時だけショートに迎えに行く
このやり方でしばらく様子を見ることにしたゆうとさんでしたが・・・

ところが病院に行った日の会計の時

家族が目を離した瞬間に車椅子の父が急に立とうとしたのか?

病院で転んでしまい頭を打ってしまったのです

すぐに検査をしましたが異常なし

そのままショートに帰宅

とここまでは良かったのですが、今度はショートの施設内でも転んでしまったのです

頭が出血していたために急遽父は入院

同時に痰が絡んで食事が喉を通らない

同時に肺炎も併発

そのまま入院が続きました

しばらくして肺炎は治りましたが、たん吸引は継続していて食事が取れなくなりました

医師からは「食事が取れないと退院は難しい」と告げられました

家族から医師に伝えたこと

「胃瘻は望まない」

「延命治療も望まない」

「肋骨が折れやすいので心臓マッサージもしない」

結局 父は点滴とたん吸引をしながら6ヶ月入院しました

最後の3ヶ月

父は寝たきりになり、もう何も分からない状態になり、話しかけても意思表示もできませんでした

この時点で「施設にいるお母様に言わなくては」と思われたのですね

特養に入所している母に、父の入院のことを初めて伝えました

私達は施設にお願いして、認知症の母を父の入院先に連れていきました

現在はコロナなどの感染症のリスクで病院側も面会謝絶が頻繁になりました
当時の面会は比較的自由にできていたことになります
施設にいたお母様を入院中のお父様に会わせることができたなんて・・・
会わせることができて本当に良かったですね

しかし母は父がどうして入院しているのか? 

何故ベッドに父が寝ているのか?

感情が高ぶってしまい理解できていない様子でした

そんな母親を見ていて「もう病院に母親を連れて行くことはやめよう」

「施設で静かに過ごしてもらおう」と思いました

しばらくして入院先の病院で父は亡くなりました

当時認知症の母に父が亡くなった事実を言うべきか? とても悩みました

施設に入っている認知症のお母様を葬儀に出席させたいと思ったのですね

随分悩みました

結局理解力がなくても母親に父の死を言うべきであると思いました

これが父に会う最後の日になる

理解できなくても母に父の死を告げてから、葬式に母親を出席させたのです

施設で穏やかに暮らしていた母

父の葬儀に出席した日から、認知症が急激に加速していったように感じます

認知症であっても、母は何らかのショックを感じ取ったのでしょう

それからの母は、施設で食事を急に取らなくなりました

食べる気力が無くなってしまった

私の母もそうでした
認知症と言え、どこか感じ取るものがあるのです
きっとお母様も「大事なものを失う何か」を感じ取ったのでしょう

食事が取れないとなると、入院になると言われました

結局施設の提携先の病院に入院

悪いことは続きます

病院で入院の手続きをしている最中に母も横転

入院してさらに一気に認知症が加速

入院して2週間後

あっという間に母も亡くなってしまいました

父が亡くなって四十九日がくる前日の48 日目

まるで父の後を追うように母は逝きました

母の認知症歴は10数年と長かったですが、ずっと穏やかに生きてきたように思います

私が結婚した時にはすでに母は認知症を発症していました

結局最後まで私の妻を嫁だとは分からないままでした

それでも妻が面会に行った時、息子の名前を言うと、嫁だとは分からなくても穏やかに母と会話ができたそうです

それほど手がかからない母だったことが救いだった

しかし病院に入院した亡くなる前の最後の2週間だけは、母の様子は一変していました

入院先に面会に行った際

穏やかだった母が豹変したのです

私達を見る目がまるで敵を見るかの様で怖かったことを覚えています

「あんたは誰だ」

と言って下から覗き込むように怖い顔で見てきたことは今でも忘れられません

毎日両親の事を気にしては実家や病院に行く毎日だった

しかし結局両親ともに死に目には遭うことはできませんでした

病院から連絡があって私達が病棟に駆けつけた時間を見計らって、「ご臨終です」と医師から告げられました

「息子の世話になりたくない」
お父様はきっとお母様を迎えにきたのですね
きっと最後までお母様のことを気にされていたのでしょう

「親と向き合うことは、自分と向き合うこと」おいらく取材ノート6-3へ続く

★おいらく取材ノートについて

老後を前向きに生きるためのヒントは、皆さんのこれまで生きてきたそれぞれの人生経験の中にあると思っています 人生経験豊富な年代の方から若い世代まで、それぞれの考え方や経験を聞くことはとても貴重であり、これからどう生きるべきかを学ぶ参考書になり得ると思っています

「体験者にきく」は、年齢問わずご自身の経験や将来の「おいらく(老いを楽しむ)」について語って頂いた内容をご紹介「専門家にきく」では、様々な現場で活躍されているプロの方にfandeenaが取材した内容をご紹介しています

同じ悩みを抱えている方、世代によって様々な考えや意見もあるでしょう 読者の皆様にとってこれからの人生についての参考になれば幸いです 読者の皆様、そして専門家の皆様、取材に快く協力して頂き感謝します この場をかりて厚くお礼を申し上げます

尚、取材した内容の最終確認 及び「氏名」「社名」「写真」などの公表に関してまして、全てご本人の了解を得た上で掲載しています