おいらく取材ノート専門家に聞くNo2「ケアマネージャー2-1」
「ケアマネとしてご家族に対して思うこと感じることはありますか?」の続きです
例えば、要介護2でヘルパーを入れながら生活されている一人暮らしの方がいます 週に何回かデイケアを利用されていますが、デイケアから帰った日の夕食は与えなくて良いとご家族が言われます
実の娘が実家の近くに住んでいるにもかかわらず、お盆も正月も一緒に過ごさない 近くだからといって食事の差し入れもされません
主張はこうです
デイケアで十分昼ごはんを食べてきているから
どうせあんまり食べられないと思うから だそうです
デイケアに行かない日はヘルパーが昼に入り食事を作ります 夕食まで頼んでしまうと限度額を超えてしまいます
だったら毎日お弁当を頼んで届けてもらうだけでも安否確認になりますし「せめて介護食のお弁当でも良いので頼んであげられませんか?」と頼んでみましたが、ご家族は「どうせ量をそんなに食べないので与えなくて良い」と言われます
その方は普段から失禁が多い方でもあります 良く下着を汚されるので、洗濯物が多く出てしまいます
ヘルパーが洗濯する度に「洗濯機が小さくて何回も洗濯しなければならず大変である」とヘルパーから私に訴えてきた事がありました それをご家族に伝えたら、新しい洗濯機をすぐに用意してもらえました
そういうことはすぐに対処してもらえるのですが、肝心な食事はいらないと言われる(不思議です)ご家族にとって様々な事情もあるのでしょうが、せめてご家族が食事を差し入れるとか・・・それはなさらない
実の娘であってもです 時々理解に苦しむ事が良くあります
その他にご家族に対して困ったことはありましたか?
ご家族の中で何でもケアマネがやってくれると勘違いしている方が多すぎます
例えば、病院への送り迎えや診察などケアマネが連れて行ってくれて、付き添ってくれて、送り迎えまでやってくれると思っている利用者やご家族が多すぎるのです
そんな時はヘルパーが付き添えば時間給として給料になりますが、ケアマネは何も手当は出ません 訪問したり、どこか付き添ったり、連れて行ったり・・・何も手当は発生しないのです
しかし当たり前のようにご家族から「こちらは仕事で行けないから病院へ連れていって」「付き添って」「電話しても出ないから見に行ってほしい」とか、休日、祭日関わらず連絡される方がいて、私もできる範囲でやってあげていますが、度を超えて言ってくる方もいて一番辛いですね
そんな時は何と言って断るのですか?
自分達は忙しいから代わりにケアマネが病院へ連れて行ってくれと言われた場合
「今は個人情報があるので、ご家族ではない者が連れて行っても病状などの詳細を説明してもらえません」「診察はご家族が連れて行かれてください」とはっきり断るようにしています
他にも困ったことはありますか?
デイケアとかデイサービスなどの事業所と、利用者の間で問題があった場合
事業所が直接ご本人に言ってもらえば良いのに、わざわざそれを持ち帰って、ケアマネに解決してくれと言われ仲介役を頼まれることがあります
現場での報告を受けることは必要ですが、仲介役もケアマネの仕事でしょうか?それは事業所内の問題であって「事業所が直接ご本人に言うべきこと」だと言いたいです
ケアマネとして利用者や事業所から報告は受け付けますが、事業所と利用者との揉め事を解決するのもケアマネの仕事でしょうか?交渉をケアマネに振らないで欲しいです
それでも事業所からは「仲介してうまく言ってくれ」とか「ケアマネに解決を求めてくる」これは本当に難しい
言葉で説明を受けてもその時の両者の空気感まで感じ取ることはできません
ケアマネとしてご家族や利用者、事業所から「こう言うことがありました」と報告してもらえることは大事なのですが、交渉することがとても難しいことを知ってもらいたいです
利用者の中で慎重に対応せざるを得ない方はいらっしゃいますか?
利用者の中で精神障害の方を受け持つ時があるのですが、その時は本当に大変であると感じています 訪問時にとても神経を使いますし、まともに話を聞いてくださらない事が多いからです
一人でご自宅を訪問するときに「怖い」と思ったことが何回もありました 急に怒る、殴られそうになるなど・・・・お話をしていて急に怒り出したりされるので、ご家族が同席してもらわないと物事が決められません
- 脳梗塞の後遺症で言葉がはっきり出ない方
- 麻痺が残っている方
- 認知症の症状もある
個人差もありますが余計に怒りやすくなったりされますから、できるだけ一人で伺うことはやめて、ヘルパーが入っている時に伺うとか・・・とても注意が必要になります
とても考えさせられますね 利用者と言っても高齢者とは限らない 若い方もいれば、障害者の方もいらっしゃる お話を聞いていて考えさせられる内容ばかりで頭が下がります
あとたまにしか帰らない他県に住んでいる娘や息子に対して、例えば「親の状況を詳しく知りもしないのに、文句や要望だけは言ってくる」ことはありませんか?私にも言えることなので聞かせて下さい
あります でも様子を見に帰ってくるだけでもマシだと思っています
ただ帰ってきて甘やかして何でもやってあげるのは勝手ですが、娘さんや息子さんが帰ってからが、実はとても大変なのです 帰ってからが何もできなくなるからです
以前にも増してヘルパーを頼るようになってしまいます たまにしか帰ってこないから、何でもしてあげたい気持ちは理解できますが、ご本人のためにも甘やかさないでほしいです
あーわかります 自分に言われているみたいです(笑)私も里帰りする度に、母にしてあげたいと思っていました・・・
甘やかすことで結果的にご本人の為にならないと言うことです そんなにしてあげるなら、一緒に住んであげて下さいと言いたいです
見た目は元気で何も問題ないように見えても、普段の生活に落とし穴が多く潜んでいます 認知症の症状は、たまにしか帰ってこないお子さんの前では確認できません
「母はこんなに元気なのにどこが認知症なのか?」と言われますが、ご本人の毎日の日常を知るためには、生活を知る必要があるのです
おっしゃる通りほんとそうですね たまにしか帰らないことで一見親が元気に見えてしまう 私も一緒に生活をしてみて初めて気づいたことが多くありました
何もかもしてあげると確かに認知機能も低下していくと実感しましたから
おいらく取材ノート専門家にきくNo2「ケアマネージャー2-3」へ続く
老後を前向きに生きるためのヒントは、皆さんのこれまで生きてきたそれぞれの人生経験の中にあると思っています 人生経験豊富な年代の方から若い世代まで、それぞれの考え方や経験を聞くことはとても貴重であり、これからどう生きるべきかを学ぶ参考書になり得ると思っています
「体験者にきく」は、年齢問わずご自身の経験や将来の「おいらく-老いを楽しむ(後悔のない生前整理)」について語って頂いた内容をご紹介しています 又「専門家にきく」では、様々な現場で活躍されているプロの方にfandeenaが取材した内容をご紹介しています
同じ悩みを抱えている方、世代によって様々な考えや意見もあるでしょう 読者の皆様にとってこれからの人生についての参考になれば幸いです 読者の皆様、そして専門家の皆様、取材に快く協力して頂き感謝します この場をかりて厚くお礼を申し上げます
尚、取材した内容の最終確認 及び「氏名」「社名」「写真」などの公表に関してまして、全てご本人の了解を得た上で掲載しています

