38歳 整理収納アドバイザー 杉本 美咲様
今回の取材ノートは 愛知県犬山市で整理収納アドバイザーとして活動されている「杉本美咲」様にお話を伺うことができました
杉本さんは現在「片付け」のプロとして現場で活躍されています そんな杉本さんに片付けの現場での実体験を語って頂きました
「片付けられない」「片付けたいけれどどうしたら良いか?分からない」「プロに依頼するなんて気が引けると感じる方」など、若い方から高齢者まで幅広く参考になる内容だと思います お話の内容は数回に分けてご紹介します
現在のお仕事の依頼は高齢者のお客様だそうですね なぜ高齢者のお宅の片付けを引き受けようと思われたのですか?
以前片付けをしていたお宅でケアマネージャーとお話をする機会があり、「片付けられない高齢のご夫婦がいるのだけど、どうしたら良い?」と相談を受けました
「不特定な人を家に入れたくない」「片付けることが苦手」「家が散らかっているのは恥ずかしいから、あまり家に入ってきてほしくない」と思っている高齢者夫婦で、業者に片付けを依頼することを拒否されているとのことでした
介護支援でヘルパーに入ってもらい、片付けを手伝ってもらうことも考えられたそうですが、いつも同じヘルパーさんが来るとは限りません
知らない人が毎日入れ替わりのように自宅に出入りされるのは嫌であり、介護以外で継続的に同じ人が自宅に来てくれる人を望んでいるとのことで、ケアマネージャーと一緒にその高齢者のお宅に行ってみたところ、私を受けいれて下さいました
ケアマネージャーが信頼の厚い方であり、その方の紹介と言うこともあって、おそらく私を受け入れて下さったのだと思います 結果、高齢者夫婦のお宅の片付けを定期的に引き受けることになりました
ご夫婦でお住まいの方なのですね
80代後半の奥様と80代前半のご主人で、持病はありますが認知症はなく、耳も遠くないご夫婦でした 娘さんが遠方にいると聞いていましたので、後になってそんなはずではなかったと家族から言われない様に、ケアマネを通して娘さんと何回か連絡を取りながら打ち合わせをさせて頂きました
「家の中の状態は、そこに住んでいる人の心がそのまま現れていると思うので、一気に片付けることはしません」とご家族の方にもお伝えしています
どれくらいのペースで片付けの仕事を引き受けているのですか?
初めは週に2回からスタートしました しかしご本人が疲れてしまうこともあって、現在は週に1回のペースで通っています お昼の12時から4時くらいまでの3時間から4時間を基本に片付けています 当然体調が悪かった日もあるので、1ヶ月くらい片付けを中断して行かなかったこともありました
片付けを依頼された高齢者の方は、どうして片付けたいと思われたのでしょうか?
片付けたいと思ったきっかけは「万が一救急車を呼んだ場合、このままだと家の中まで入れない程物が散乱している状態だったため、何とか片付けて人が通れるようにしたい」が理由だったそうです
まずは何処からスタートされたのですか?
現場では全部奥様に確認しながら物を選ぶという作業をしていきます まずは台所から着手しました 何故なら「賞味期限が発生している物の仕分けが一番片付けるのに処分しやすい」というか、本人が手放す感覚を身につけやすいと思ったからです
基本的なゴミ捨ては家庭内ゴミ袋に入れて処分するのですか?
一個一個奥様に確認しながら家庭内ゴミ袋に入れて処分しています 売れそうな物があればリサイクルショップへ持って行くこともあります
家具の移動はして良いと言われたのですか?
家具の移動はOKでしたが、正直言って物が多すぎて家具が動かせる状態ではありませんでした 例えば冷蔵庫の前に箱が積んであって、野菜室すら開けられなかったからです
家具を動かす以前の問題で、動かすためにも相当な時間と整理が必要でした まずは冷蔵庫が開けられるようにすることから始めました
そこからですか?それは大変でしたね
こちらのお宅は週に1回食品の宅配をお願いしているそうで、1週間分の食品が届いた時だけ冷蔵庫の前の箱をわざわざどかして野菜室に食品を詰め込むだけ詰め込んだ後、また冷蔵庫の前に段ボール箱を置いて野菜室を塞いでしまうことを繰り返しているお宅でした
(片付け前→片付け後)


え?入れたら塞ぐを繰り返していたのですか?(そういえば私の母もそんなことがあった様な・・・)他に空き箱やビニール袋、割り箸とか・・・多すぎませんでしたか?
そうなんですよ 特に多い物が「ビニール袋」でした あらゆる場所に、あらゆる隙間に詰め込まれていて、ビニール袋があちこちに入っていました
台所に物が多すぎて、買ってきた食品を置く場所がなくて、あちこちに置いては置いたことを忘れていくようで、賞味期限切れの食品が沢山ありました 買ってきて色々な場所に置くことで、使おう食べようと思っても、買ってきた物を見つけられずに又買ってくるを繰り返してしまう
ご主人が小豆が好きでいつも買っているそうですが、台所からいくつも小豆が出てきて「こんなところにあったのねー」「そこにもあったのねー」 の繰り返しでした(笑)
小豆だらけですか(笑)それって私も分かります 私の実家の台所からもだしの素と砂糖や塩がいくつも出てきましたから(笑)
ところで片付けの期限はある程度決められているのですか?
私と片付けを始める半年ほど前に、娘さんが業者に頼んで1日で一気に物を処分したそうですが、すぐに元の状態に戻ってしまいました それにはちゃんと理由があって最初にお話したように「家の状態はその方の心の状態そのもの」なのです
一気に物を無くしても「心がついていけず元の状態に戻そうとしてしまう」ので、リバウンドは当然の結果だったと思われます そのため時間や期限は決めずにできる限りその方に合ったペースで行いますから期限は特に決めていません
老後を前向きに生きるためのヒントは、皆さんのこれまで生きてきたそれぞれの人生経験の中にあると思っています 人生経験豊富な年代の方から若い世代まで、それぞれの考え方や経験を聞くことはとても貴重であり、これからどう生きるべきかを学ぶ参考書になり得ると思っています
「体験者にきく」は、年齢問わずご自身の経験や将来の「おいらく(老いを楽しむ)」について語って頂いた内容をご紹介しています 又「専門家にきく」では、様々な現場で活躍されているプロの方にfandeenaが取材した内容をご紹介しています
同じ悩みを抱えている方、世代によって様々な考えや意見もあるでしょう 読者の皆様にとってこれからの人生についての参考になれば幸いです 読者の皆様、そして専門家の皆様、取材に快く協力して頂き感謝します この場をかりて厚くお礼を申し上げます
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